BG-Sentinel2 捕獲実験比較
各トラップの主な仕様と設置状況
| 製品名 | BG-センチネル2 | 他社製品A |
|---|---|---|
| サイズ | 直径45cm×高さ50cm | 幅35cm×高さ43cm |
| 重さ | 約1.7kg（電源除く） | 約0.7kg（ドライアイス・電源除く） |
| 電源 | DC12V | DC6V |
| 風量（実測） | 1.43㎥/分 | 1.14㎥/分 |
| 誘引源 | 臭気（BGルアー）視覚（白黒コントラスト） | CO2（ドライアイス）視覚（豆電球） |
| 設置高さ | 0m（地面設置） | 約1m（吊り下げ） |
ヒトスジシマカ捕獲数比較
表1：各トラップのヒトスジシマカの捕獲数と捕獲数比
| 時期 | Apr | May 1st | May 2st | Jun 1st | Jun 2st | Jul 1st | Jul 2st | Aug 1st | Aug 2st | Sep 1st | Sep 2st | Oct 1st | Oct 2st | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 他社製品Ａ | 0 | 4 | 13 | 1 | 5 | 2 | 17 | 15 | 64 | 63 | 14 | 152 | 6 | 356 |
| BGS2 | 1 | 267 | 63 | 14 | 12 | 65 | 41 | 154 | 32 | 39 | 79 | 180 | 32 | 979 |
| 比 | ー | 66.8 | 4.8 | 14.0 | 2.4 | 32.5 | 2.4 | 10.3 | 0.5 | 0.6 | 5.6 | 1.2 | 5.3 | 2.8 |
アカイエカ群捕獲数比較
表2：各トラップのアカイエカ群の捕獲数比
| 時期 | Apr | May 1st | May 2st | Jun 1st | Jun 2st | Jul 1st | Jul 2st | Aug 1st | Aug 2st | Sep 1st | Sep 2st | Oct 1st | Oct 2st | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 他社製品Ａ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 | 4 | 1 | 11 |
| BGS2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 16 | 0 | 2 | 1 | 3 | 1 | 2 | 4 | 32 |
| 比 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | 0.5 | 1.5 | ー | 0.5 | 4 | 2.9 |
累積捕獲数はBGS2が32匹、他社製品Aが11匹と2.9倍の差となった。この現場ではアカイエカ群は優占種ではないと考えられた。
捕獲数比（BGS2 / 他社製品A比）は、捕獲数が少なく、差を確認できなかった。
（追加実験）アカイエカ群に対する捕獲性能試験
アカイエカ群に関しては評価できなかったため、大阪府の神社の居住部分の玄関横にBGS2を設置し、100VコンセントからACアダプターを介して給電することで連続して100日を超えて稼動させ続けた。この場合、アカイエカ群も安定的に捕獲できていることから、BGS2は本群に対しても一定の効果があるとみられる。
図2:大阪府の神社におけるBG-Sentinel2の捕獲数の推移
検体の回収は2週間〜1ヶ月ほどの間隔で実施し、1日あたり捕獲数に換算して作図
チカイエカに関する捕獲性能試験
表3：大阪府の病院におけるチカイエカ捕獲数
| 設置期間 | 2018/11/17-11/24 | 2019/1/19-1/26 | 2019/2/9-2/16 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 総捕獲数（匹） | 267 | 321 | 192 | 780 |
| 1日あたり捕獲数（匹） | 38.1 | 45.9 | 27.4 | 37.1 |
世界で行われた実験
イタリアでのBG-センチネル連続稼働事例
Englbrechtらによる実験：イタリアのチェゼーナで、BG-センチネル（以下「BGS」という） とBG-ルアーを各々7個ないしは8個、3箇所に設置し、それに対応して3つの場所にBGSを設置しない対照区を設定した。BGSの密度は150㎡〜350㎡に1個、間隔は5m〜10mとし、シーズン中はBGSを連続稼働させた。効果判定は、BGS設置区と対照区において毎週、人おとり法により蚊の数をモニタリングした。その結果、ヒトスジシマカの捕獲数は64％〜87％減少した。BGSを適切に配置して連続稼働させることにより、ヒトスジシマカの刺咬圧は有意に減少することが示された。
Englbrecht, C., Gordon, S., Venturelli, C., Rose, A., & Geier, M. (2015). Evaluation of BG-Sentinel trap as a management tool to reduce Aedes albopictus nuisance in an urban environment in Italy.Journal of the American Mosquito Control Association, 31(1), 16-25.
右写真の黒丸TはBGS設置場所、白四角OTはオビトラップ設置場所、HLCは人おとり法実施場所
